いわゆる「共謀罪」法案

政府が今国会に提出したいわゆる「共謀罪法案」が、本日、衆議院で実質審議入りしました。

世論調査では、賛否相半ばしているようですが、過去三度廃案になっていることを考えると、今回は、対象犯罪を絞ったとか、一般人は対象とならないとか、「計画」、「実行準備行為」を書きこんだとか、という政府の宣伝が奏功しているように思います。

私の意見は以下のとおりです。

いわゆる「共謀罪」法案とは、既存の「組織的犯罪処罰法」に、第6条の2を追加するという法案です。

その第6条の2は、別表に掲げる277にも及ぶ多くの犯罪について、(1)テロリズムその他の組織犯罪集団の活動として(1項)、もしくは(2)その組織の不正の利益確保等の目的で(第2項)、これらの犯罪の遂行を「共謀」した者を処罰する、としています。

政府は、①これらの犯罪の遂行を計画し、その実行準備行為が行われることを要件と定めており、共謀だけで処罰するのではない、とか、②テロリズムその他の組織的犯罪集団の活動として遂行される場合に限定しており、一般の国民は対象とはならない、などと説明しています。

しかし、これは額面通り受け取ることはできません。

上記①について言えば、計画も実行準備行為も厳密に定義できない漠然とした概念であり、空気のごとく拡散し、実際には合意即ち共謀が処罰されることとニアリィ・イコールになってしまいます。
また上記②の組織犯罪集団なるものも、同様で、どんどん拡張されていくことになりそうですし、第2項は組織的犯罪集団外の者へも網を広げることが予定されていますから、一般の国民も対象とされることになってしまいます。

いわゆる「共謀罪」法案は、具体的法益の侵害や犯罪の実行行為のはるか前の合意即ち共謀を、広く処罰することにより、刑罰のダンピングと国民の日常生活を常時監視下に置く警察国家というありがたくない結果を招くことになると思います。
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また紹介させていただきます!

お久しぶりです。
この法案、現状を考えると不安材料ばかりが多いものですね。
特高の跋扈した時代へ逆戻りのような考え方ばかりが目立ちます。
プロフィール

深草 徹

Author:深草 徹
1977年4月、弁護士登録。2013年4月、セミリタイア。
「これからも、社会正義の話を、青臭く、続けよう。」

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