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核燃料サイクルからの撤退を! (2)

核燃料サイクルに関する基礎的事項のおさらいを続けよう。

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使用済燃料再処理
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使用済燃料再処理とは、使用済燃料から上述の残留ウラン及びプルトニウムを分離抽出して再利用できるようにし、fp及びジルカロイ被覆管や付随物を放射性廃棄物として処分にまわすことである。

再処理に用いられる技術は通常はピューレックス法と呼ばれる(Plutonium Recovery By Extraction、略して「PUREX・ピューレックス」という。)。

ピューレックス法の工程は概略次のとおりである。

①まず貯蔵プールで所定の冷却貯蔵期間を経過した使用済燃料を取り出し、せん断(細かく裁断)して硝酸液に溶解させる。溶解しないジルカロイ被覆管や付随物を取り出し、同時に揮発性のfpを放出する。
②ついでこの溶解液を石油成分の一つであるドデカンで希釈したリン酸トリブチル(TBP)溶媒液と混合し、溶媒液に親和性のあるウラン、プルトニウムを溶媒液に移行させ、その他のfpなどを溶解した硝酸液を分離して貯蔵する(これはガラス固化体にして貯蔵し、最終処分を待つ)。
③そして最後にプルトニウムとウランは、還元剤を用いて分離する。

ただし、1974年のインド核実験以後、核不拡散体制の強化・再構築に乗り出したアメリカからの要求で、1977年4月から9月までの3回にわたる日米再処理交渉が行われ、その結果、同年9月に、ウラン溶液とプルトニウム溶液を1対1の比率で混合した状態で取り出し(このように混合した状態で取り出す技術を混合転換技術と呼び、原子力委員会は核拡散抵抗性の高い技術と評している。)、それからウラン・プルトニウム混合酸化物(二酸化ウラン、二酸化プルトニウムの混合物である。これをMixed Oxide、略して「MOX」という。)を作ることにするとの合意が成立した。このためわが国では、再処理工程の出口において、純粋なプルトニウムは存在しないということになっている。


さて本論、核燃料サイクルの来し方、現状、問題点、行く末に入っていくこととする。

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わが国が採用した路線
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使用済燃料を、そのまま廃棄処分するをとる(以下この方式を「ワンススルー路線」という。)のか、それとも再処理をしてウランやプルトニウムを抽出して再利用をはかる(以下、この方式を「再処理路線」という。)のかは、根本的な分岐点である。

現在、商用の発電用原子炉を持つ世界の主要国のうち、アメリカ、ドイツ、スェーデン、フィンランド、韓国は、ワンススルー路線を採用している。

わが国は、原子力発電の草創期以来、再処理路線をとっている。わが国で、本格的に原子力発電の研究、開発、導入が模索され始めたのは、「原子力基本法」に基づいて原子力委員会が設置され、活動を始めた1956年である。同委員会は、発足以来、おおむね5年ごとに、「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」(以下「長期計画」という。)を策定し、おおよそ20年程度のスパンにわたる基本施策を提示することによって、原子力発電の導入、発展を強力に推進してきた(同委員会は、当初総理府に、次いで科学技術庁に属していたが、2001年1月の中央省庁再編により、内閣府に属する一審議会となった。そのような立ち位置の変化をふまえて、同委員会は、2005年10月、「原子力の研究、開発及び利用に関する施策の基本的考え方を明らかにし、各省庁における政策の企画・推進のための指針を示すとともに、原子力行政に関わりの深い地方公共団体や事業者、さらには原子力政策を進める上で相互理解が必要な国民各層に対する期待を示す」べく、従来の長期計画にかわる「原子力政策大綱」(以下「大綱」という。)を策定した。)。

その第1回長期計画(1956年)において、早くも再処理の方向性が示され、第2回長期計画(1961年)では、再処理路線がより鮮明に示されることとなった。曰く「使用済燃料の再処理については、将来原子力発電おける燃料インべントリー、使用済燃料の輸送費節減等のために、さらには燃料サイクルの円滑な実施をはかるため、わが国においても早期にその方式を確立しておく必要がある。」と。そして、その後の長期計画でも、大綱においても再処理路線は、ますます強固に固められてきた。

法制度面においても、「核燃料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」(以下「原子炉等規制法」という。)第5章で、再処理の事業に関する規制を定める諸規定を置き、再処理路線を推進する枠組みを設定し、さらにこれを実施、補完する「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」(以下「最終処分法」という。)、「原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律」など法令の整備がなされている。
(続く)
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プロフィール

Author:深草 徹
1977年4月、弁護士登録。2013年4月、セミリタイア。
「これからも、社会正義の話を、青臭く、続けよう。」

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