核燃料サイクルからの撤退を! (8)

脱原発だけが都知事選のテーマではない。それは誰もが分かっている。しかし、それでも脱原発の筋道を誠実に提示し、真摯に、一心不乱に訴えて戦うことには十分な意義がある。原発推進・完全復活は安倍政権の悪政から有意に取り出した指標、これをターゲットとすることにより安倍政権の悪政全体を叩くという発想はあってよいと思う。広い視野で、統一を考えてみるべきだ。脱原発勢力一本化のために宇都宮氏に一方的に降りろという意見は一面的、非常識・非礼だ。しかし宇都宮氏が、細川氏ではダメだといって統一の努力をしないというのも間違いではないか。ここは長幼の序、宇都宮氏から、脱原発の中身を協議し、脱原発(できれば憲法を守る)都政の確立で統一を呼びかけて欲しいものだ。細川氏が、聞く耳持たぬということであれば正々堂々戦えばよい。

さて高速増殖炉破たんの話をまとめておこう。次回はプルサーマル、ようやく核燃料サイクルの話も終わりに近づいた。

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まとめ―高速増殖炉は破綻したが・・・
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「もんじゅ」の事故は、高速増殖炉が未熟で大きな危険のある技術であることを白日の下に曝したのであった。

この間、諸外国は、次々と商用の高速増殖炉開発から撤退した。当初の予測に反してプルトニウムの増殖効果があまり期待できない、コスト高で経済的にも割があわない、安全性の確保に難があることが次々と明らかになったからである。

安全性の問題としては、①高速増殖炉は、燃料であるプルトニウムがウラン235に比べて中性子を吸収しやすく、核分裂を起こしやすいという特性があるため、暴走事故を起こしやすく、一旦暴走事故を起こすと軽水炉のように緊急炉心冷却装置(ECCS)がないので重大事故に発展するおそれが大きいということ、②炉心溶融が起こるとその部分でプルトニウムの濃度が高くなり、核分裂が爆発的に暴走するおそれがあるということ、③冷却材の液体ナトリウムが、配管破断事故の原因を作りやすく、さらに水と反応して爆発炎上し、また水素を発生させて水素爆発を引き起こし、炉心溶融、放射性物質放出事故の原因となるということなどが指摘されている。

わが国においても、「もんじゅ」事故後に策定された第8回長期計画(2000年)において「高速増殖炉サイクル技術の研究開発に当たっては、社会的な情勢や内外の研究開発動向等を見極めつつ、長期的展望を踏まえ進める必要がある。そのため、高速増殖炉サイクル技術が技術的な多様性を備えていることに着目し、選択の幅を持たせ研究開発に柔軟性をもたせることが重要である。(中略)高速増殖炉の実証炉については、実用化に向けた研究開発の過程で得られる種々の成果等を十分に評価した上で、具体的計画の決定が行われることが適切であり、実用化への開発計画については実用化時期を含め柔軟かつ着実に検討を進めていく。」などと、ついに実用化の時期目標さえも打ち出せず、「将来の選択肢の一つ」としてしか位置づけることができなくなってしまった。ここにおいて高速増殖炉の開発・実用化は破綻をしたのである。

その後も2005年の大綱では、「2050年頃から商業ベースでの導入を目指す」として未だ撤退を打ち出せないでいたが、2012年の「革新的エネルギー・環境戦略」では、「『もんじゅ』については、国際的な協力の下で、高速増殖炉開発の成果の取りまとめ、廃棄物の減容及び有害度の低減等を目指した研究を行うこととし、このための年限を区切った研究計画を策定、実行し、成果を確認の上、研究を終了する。」として、ようやく高速増殖炉から撤退することを明確にしたのであった。

ところがである。今回の「エネルギー基本計画原案」は、「『もんじゅ』については、これまでの取組の反省と教訓の下、実施体制を再整備する」とまたまた鎌首をもたげようとしている。このような無謀な企みは断じて許してはならない。
(続く)
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プロフィール

深草 徹

Author:深草 徹
1977年4月、弁護士登録。2013年4月、セミリタイア。
「これからも、社会正義の話を、青臭く、続けよう。」

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