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戦前秘密保全法制番外編

1 刑法第1編「総則」第7章・第42条では自首は「その刑を減軽することができる」と定められている。即ち、自首は、任意的減免事由とされている。これは全ての犯罪に共通して適用される規定で、自首することにより犯罪の発覚を早めることにより被害をできるだけ小さくし、社会的不安をなくし、捜査を容易にするなどの刑事政策的理由を挙げる説、改悛の情を示すものであり責任非難の程度を減少させることを理由に挙げる説、あるいはその両者だという説がある。

私は、責任非難の程度は犯罪行為そのものについて評価されるものであり、事後の行為でそれが減少するというのはあり得ないと思うので刑事政策説に軍配をあげる。

2 ところでわが特定秘密保護法第26条は、特定秘密漏えい及び特定秘密不正取得の各未遂罪、特定秘密漏えい及び特定秘密不正取得の各共謀罪について、自首したときは「刑を免除し、又は減刑する」と定めている。

現行刑法典を見ると、内乱の予備・陰謀罪(刑法第78条)及び内乱(予備・陰謀を含む)の幇助罪(刑法第79条)について暴動に至る前に自首したときは刑を免除する(刑法第80条)、(外国に対する)私戦の予備・陰謀罪について自首したときは刑を免除する(刑法第93条)、身代金目的略取誘拐予備罪について実行に着手する前に自首したときは減刑又は免除する(刑法第228条の2)との規定が置かれている。

これらでは自首は、必ず免除もしくは減刑又は免除される、即ち必要的免除もしくは必要的減免事由とされているのである。

刑法典以外にも多くの法律で、自首は必要的減免事由とされている。中でも特別防衛秘密に関する日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法第6条、防衛秘密に関する自衛隊法第122条第5項、合衆国軍隊の秘密に関する、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法第8条も、自首を必要的減免事由としていることが注目される。

また戦前秘密保全法制の三本柱、軍機保護法、軍用資源秘密保護法及び国防保安法についても、いずれも自首を必要的減免事由とする規定が置かれている。

3 これら必要的減免規定についても表向きの理由は、上述の刑事政策的理由によるものとされるであろう。しかし、とりわけ治安立法では、おとり捜査(「アジャン・プロヴォカトゥール=訴追する司法巡査」)的に悪用される危険性を孕んでおり、十分な注意が必要である。
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プロフィール

Author:深草 徹
1977年4月、弁護士登録。2013年4月、セミリタイアして4年。歳を重ねましたが、「これからも、社会正義の話を、青臭く、続けよう」と思います。

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