スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

この文章の耐え難い軽さを見よ!


 「何人も、情報公開法に定めるところにより、行政機関の長に対し、特定秘密である情報を記録する行政文書の開示を請求することができ、開示請求を受けた行政機関の長は、情報公開法に基づき、開示・不開示の決定を行うこととなる。特定秘密に係る部分は、特定秘密に指定される情報の性質上、情報公開法第5条に規定する不開示情報の一部に該当するものと解されるが、実際に開示・不開示の決定を行う際には、当該部分が情報公開法上の不開示情報に該当するか否かについて厳格に判断する必要がある。」

 これは10月14日に閣議決定された「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準」の第2項(2)「公文書管理法及び情報公開法の適正な運用」として記述された文章からの抜粋である。
この部分の意味を一読して理解できる人はまずいないだろう。

 情報公開法第5条は、行政機関の長は、行政文書の開示請求があったときは、同条各号に定める場合を除いて開示する、逆にいえば同条各号に該当する場合には開示しないということを定めている。特定秘密保護法(「秘密法」)と関連するのは以下の第3号である。

 「公にすることにより、国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報 」

 これによれば「国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれ」があると行政機関の長が認定したことに「相当の理由」がありさえすれば、当該行政文書は開示されないのである。行政機関の長が、もっともらしい理由を上げれば、「相当な理由」があると認められるのが落ちだから。

 一方、秘密法ではどうなっているか。秘密法3条1項によると、行政機関の長は、「その漏えいが『我が国の安全保障(国の存立に関わる外部からの侵略等に対して国家及び国民の安全を保障することをいう。以下同じ。)』(秘密法1条)に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿する必要があるもの」として特定秘密の指定をすることになっている。しかもこの指定は、「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準」に従い、その適正が確保されているものとされるのである。

 そうすると、特定秘密に指定された情報を記録した公文書等が、情報公開法に基づいて開示される場合などということはあり得ないことになる。それにもかかわらず閣議決定され、これからこれに基づいて秘密法の運用がなされることになっている「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準」では、「特定秘密に係る部分は、特定秘密に指定される情報の性質上、情報公開法第5条に規定する不開示情報の一部に該当するものと解されるが、実際に開示・不開示の決定を行う際には、当該部分が情報公開法上の不開示情報に該当するか否かについて厳格に判断する必要がある。」とされている。

 私には、この文章は、まるで空中遊泳をしているかの如くに軽々しく見える。ごまかし、たぶらかしの見本のような文章である。

 民主党政権下では、上記「相当の理由」を「十分な理由」とするなどの情報公開法改正案が閣議決定され、国会提出までされたのであるが、野田政権が成立に熱意を欠いていたので、結局、衆議院解散・廃案に終わってしまった。「相当の理由」と「十分な理由」、五十歩百歩と云うなかれ、裁判所で争われた場合は勿論、不開示に対する不服申立てを裁定する情報公開審査会でも、不開示理由の限定という意味では、大きな違いがある。また、もし改正案が成立しておれば、はじめて上記の問題の文章は、少しは地に足のついたものになった筈である。あらためて情報公開法の改正を求めていこう。

 秘密法を問う作業は、こういう地味なところからも手をつけなければならない。(了)
スポンサーサイト
プロフィール

Author:深草 徹
1977年4月、弁護士登録。2013年4月、セミリタイアして4年。歳を重ねましたが、「これからも、社会正義の話を、青臭く、続けよう」と思います。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。