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「文武両道」を廃した日本国憲法

 今の時代、「文武両道」というと、勉強もスポーツも両立させるという意味で、よいイメージが持たれますね。わが子、わが孫であれば、是非、そうあって欲しいと願う人は多いのではないでしょうか。

 しかし、国のあり方として、「文武両道」というのはいただけません。

 雑誌『世界』は、6月号から、『文一道でゆく』と題する評論(筆者は元東京新聞・中日新聞論説委員の桐山桂一氏)を連載しています。日本国憲法制定時の憲法担当大臣・金森徳次郎の議会答弁に基づいて、日本国憲法の成り立ちを説き明かし、憲法改悪の企みに異を唱える内容で、多くの方に是非読んで頂きたいと思います。金森の答弁は、そっくり今日の状況に転用されることをご理解頂けるでしょう。

 個人的なことをいいますと、金森は、私にとって高校、大学の大先輩、遠くから仰ぎ見る存在です。

 金森は、愛知一中(現在の愛知県立旭丘高等学校)、一高、東大を経て、1912年大蔵省入省、その後法制局に転じ、1934年、岡田啓介内閣で法制局長官を務めました。
 1935年、右翼・軍部が天皇機関説事件で騒ぎ立てると、議会でも、普段はコンコンとしか鳴かない筈のキツネ議員どもが、このときとばかりに虎の威を借り、ウォー、ウォーと吠えまくります。答弁に立った金森は、「学問のことは政治の世界で論じない方がよい」とはねつけますが、右翼・軍部の攻撃はますます盛んになり、1936年、金森は退官に追い込まれました。
 退官後の金森は、文字通り警察や憲兵の監視下に置かれます。

 雌伏10年、1945年12月、元法制局長官の資格で、貴族院議員に勅任され、1946年5月に、吉田内閣で、憲法担当の国務大臣に就任、憲法制定議会となった第90帝国議会で、日本国憲法の意義、精神を情熱的かつ説得的に語る数々の名答弁を生み出すことになりました。

 その金森が、日本国憲法第9条を評して、これからの日本は「文一道で行く」ことを選択したのだと述べているのです。

 戦前、日本は、「文武両道」と言いつつ、「武一道」で突っ走ったことを思い起こしてみると、この言葉はみごとに憲法9条の趣旨を言い表していると思います。

 今年の5月3日は、憲法施行70周年の記念すべき日でした。この日、安倍首相は、憲法9条1項、2項をそのままにして、新たに3項として自衛隊の存在を明記する規定を置く、東京オリンピックが開催される2020年には、新しい憲法を施行できるようにしたいとの決意を表明しました。

 わが国は、憲法9条により、これからの日本は「文一道で行く」と世界に宣言しました。これは、武のもたらす悲惨を目の当たりにした国民の心に強い共感を与え、深く、広く支持され、現在に引き継がれています。

 ところが安倍首相は、再び、「文武両道」を唱えているのですこれは、「武一道」への第一歩。東京オリンピックに軍靴の足音を忍びこませてはなりません。
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プロフィール

Author:深草 徹
1977年4月、弁護士登録。2013年4月、セミリタイアして4年。歳を重ねましたが、「これからも、社会正義の話を、青臭く、続けよう」と思います。

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