在日米軍の概要―これでも独立国か?

 日本に駐留する米軍の現状について調べようと思って、外務省と防衛省のホームページにアクセスしたが、非常にわかりづらい。どうも政府は、国民に周知徹底を図ろうとする姿勢がないようだ。
 辛うじて知り得たことは以下のようなことである。

(米軍基地)

 まず、米軍基地について知り得たこと。

 現在、日米地位協定第2条1(a)に基づき、米軍に使用許可されている施設及び区域(以下単に「基地」という。)は、以下のように分類できる。

A.日米地位協定2-1-(a)に基づいて在日米軍が専用で利用している基地
B.日米地位協定2-4-(a) に基づいて日米で共同使用している基地
C.日米地位協定2-4-(b) に基づいて米軍が一時的に利用可能な基地


 防衛省は、この区分ごとの面積を明らかにせず、A+Bと、A+B+Cに区分した面積を公表している。それは以下のとおりである(いずれも2017年3月31日現在)。

A+B     約 2万6400ha(うち沖縄は約1万8600ha)
           
A+B+C    約 9万8100ha(うち沖縄は1万8800ha)
          
残念ながらAのみの数字は不明である。

注:A+Bについてみると、国土の0.6パーセントを占めるに過ぎない沖縄に、全国にある基地の70.6パーセントもの面積の基地が置かれていることになる。この面積は、東京23区のうち、東側、南側の13区をカバーすることになるという。私たちは、ここに沖縄問題の今日的本質があることを直視しなければならないだろう。

(兵員数)

 次に、兵員数等について知り得たこと。

 防衛ハンドブック平成26年度版(朝雲新聞社)によると、2013年12月31日現在の兵員数は以下のとおりである(括弧内は、沖縄配備の兵員数で、沖縄県公表資料による、2014年3月31日現在のものである。)。

 合計  5万0341人 (2万6883人
 陸軍    2316人  (   1547人)
 海軍  1万9688人 (   3199人)
 空軍  1万2354人 (   6772人)
 海兵隊 1万5983人 ( 1万5365人)

(在日米軍駐留経費負担)
     
 防衛省は、1970年代から在日米軍の駐留を円滑かつ安定的にするための施策として、財政事情など十分配慮しつつ、わが国が駐留経費を自主的に負担してきた説明している。いわゆる「思いやり予算」なる珍名で始められた経緯を説明しているのであるが、実際には、1971年6月の沖縄返還協定に関わる密約の延長線上で、アメリカが、駐留経費の肩代わりを求め、わが国は「強いられて」、1978年度から、負担をするようになったものであった。当初は、文字どおりつかみ金であったが、順次、日米協定などで潤色され、範囲も額もどんどん増えて行った。

 現在、その内訳は、施設整備費、労務費、光熱水料等、訓練移転費、米軍再編関係費などであり、2017年度予算では、総額5875億円となっている。

(日米地位協定)
 
 日米地位協定とは、正式名称は「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」であり、具体的にどこを米軍基地として提供するのか、提供手続はどのようにして行うのか、駐留した後の米軍、米兵・軍属、その家族は、わが国において、どのような取扱いを受けるのか、等を定める条約であり、1960年1月19日、国会で、強行可決されて以後、その根幹部分については改定されていない。

 地位協定には、以下のような問題があり、現代の不平等条約であると言っても過言ではない。

 一つめは、米軍基地の提供・返還の手続・内容が米軍の都合のよいものとなっていること。いつでも、どこでも、期限の定めもなく、使用目的・条件を厳しく限定しないまま、基地が提供され、しかも、国会の関与がなく、密室で合意される非民主的な仕組みとなっている。

 二つめは、米軍基地や米軍の活動が、基本的にはわが国の法のコントロール(規制)を受けない仕組みとなっていること。

 三つめは、様々な特権が米軍や米兵・軍属に与えられていること。特に、刑事事件に関わる特権によって、法的正義を害する事態が生じているし、行政上の特権によって市民生活を圧迫し、不公平な事態が生じている。

 こうした在日米軍をどう見るか。何を読み取るか。

 私は、日本は、独立国とは言えないのではないかと考えるのであるが、いかがであろうか。
                        (了)
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プロフィール

Author:深草 徹
1977年4月、弁護士登録。2013年4月、セミリタイアして4年。歳を重ねましたが、「これからも、社会正義の話を、青臭く、続けよう」と思います。

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