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自己陶酔はどこに行き着くか

11日に行われた党首討論、相変わらず安倍氏のエモーショナルな発言が目立った。この人は、自らのエモーショナルなの言葉とバックの拍手声援に陶酔し、目が虚ろになって、とめどもなく話を続けてしまうようである。

安倍氏は、集団的自衛権行使容認は、確実に自衛隊員に血を流させる道に入り込むことになるとの海江田氏の指摘に、むきになって、米軍兵士は、血を流す決意をもっている、それが抑止力になっているのだと述べた。
これは聞き捨てならない発言だ。

抑止力という言葉は、軍事力の抑止的機能を意味している。通常、抑止的機能とは次のように説明される。

「抑止機能とは、軍事的報復を威嚇することで、潜在的な敵対行動を事前に防止することである。抑止が有効に機能するには、第一に、抑止する側と抑止される側の双方が費用対効果を合理的に計算し評価する能力を持っていなくてはならない。その点で、玉砕を厭わない国家や自爆を尊ぶテロリストなどに対して、軍事力の抑止効果は期待できない。第二に、威嚇した報復が確実に実施される信憑性がなくてはならない。そのため、抑止者は報復の意思と決意を正確に被抑止者に伝えねばならない。同時に、当然のことながら威嚇した報復を実施するに足る軍事力が必要であるが、それは抑止したい行動と釣り合っていなくては信憑性が低下する。」(防衛大学校安全保障研究会編著「安全保障学入門・新訂第4版」〈亜紀書房〉100~101頁)。

これによると、抑止力は、客観的で冷徹な計算に基づく自己抑止を前提にし、対立国相互もしくは対立陣営相互が軍事力の均衡をとることにより確保されるということになる。従って血を流す決意などというエモーショナルな要素は一切捨象しなければならず、そういうものを強調する人たちには、「玉砕を厭わない国家や自爆を尊ぶテロリスト」同様に、「抑止効果」は期待できないことになる。
安倍氏は、どうも抑止力は効果がないようで、これを無視した不可解な行動を採りそうな危なっかしい人だ。

上で述べたように軍事力による抑止機能は、要するに軍事力の均衡を確保することによってもたらされるのであるから、相互に軍事力均衡を求め続けること、即ち、軍拡競争を必然的に伴うことになる。

ところでM.D.ウォーラスの研究によると、1833年から1965年までに発生した99件の大国間紛争を対象に実証分析をしたところ、軍拡競争を伴う紛争の82パーセントが戦争に帰着したのに対し、軍拡競争を伴わない紛争で戦争に結びついたのは4パーセントで、軍拡競争と戦争との間には高い相関性が示されたとのことである(前掲書38~39頁)。

そういえば、わが国も、かって、日独伊三国同盟による英米両国に対する抑止力のドグマに首を突っ込み、破滅への戦争に突き進んだ。爾来75年、今、再び自己陶酔に浸る安倍首相により、集団的自衛権の名の下に、血を流す抑止力が高唱されるに至っている。

彼にとっては積極的平和主義とは、抑止力万能主義である。

これは戦争への道、私たちは、これに決然としてノーを突きつけなければならない。

                (了)
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プロフィール

Author:深草 徹
1977年4月、弁護士登録。2013年4月、セミリタイアして4年。歳を重ねましたが、「これからも、社会正義の話を、青臭く、続けよう」と思います。

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