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「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準(仮称)(案)」に対する意見

今回の特定秘密保護法に関するパブコメにおいて、中心となるべき「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準(仮称)(案)」に対する意見をまとめてみた。こういのものを出したからといって、特定秘密保護法の廃止を諦めることを意味するものではない。改良ための努力も、廃止を求めることと並行、並列して行うべきである。

Ⅰ(基本的な考え方)
2(1)拡張解釈の禁止並びに基本的人権及び報道・取材の自由の尊重
ア 「特定秘密保護法が定める各規定を拡張して解釈してはならないこと」を「特定秘密保護法が定める各規定を厳密かつ限定的に解釈するべきこと」と改める。
 理由: 拡張解釈してはならないことは言うまでもないこと。厳密かつ限定的に解釈するということでなければ指針としての意味がない。
イ 「憲法に規定する基本的人権を不当に侵害することのないようにすること」から「不当に」を削除、「国民主権原理」追加し、「憲法に規定する基本的人権及び国民主権原理を侵害することのないようにすること」と改める。
 理由: 国政に関する情報を例外的に特定秘密として指定し、管理すること自体既に基本的人権及び国民主権原理に対する重大な制約である。そのことを十分に認識した上で運用されるべきで、「基本的人権を不当に侵害することのないようにする」では、運用権者への戒めとはならないし、違法もしくは不当な運用を抑制することはできない。

2(2)公文書管理法と情報公開法の適正な運用
 ・ 現行法令では、特定秘密である情報を記録する行政文書のうち、公文書管理法5条5項により歴史公文書等に該当するものとして国立公文書館等へ移管・保存されるもの及び法4条6項により国立公文書館等に移管・保存されるもの以外に、廃棄される膨大な文書群が存在することになる。行政文書は国民の共有に属する文化的財産である。行政機関の長と内閣総理大臣の協議で廃棄されてしまうこと自体問題であるが、とりわけ重要であるべき特定秘密である情報を記録する行政文書は廃棄されてしまってはならない。この点はⅢ.3で再度述べる。
 ・ 「わが国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要である」として特定秘密の指定がされた情報を記録する行政文書であっても、情報公開法に基づく開示請求において、同法5条第3号に該当せず開示することができるという趣旨を含むのであれば、そのことを明らかにし、開示をするか否かの判断基準を明示するべきである。そうしないのであれば、行政機関の長は、事実上、特定秘密指定判断に拘束されるであろうから、いくら開示、不開示の決定にあたって厳格に判断する必要があると言ってみたところで、何の効果もない。情報公開法に基づく行政文書開示請求に対する行政機関の長の決定の実情をふまえし、それを反映した基準が策定しなければならない。  

3特定秘密を取り扱う者らの責務
(2)に以下のとおりを付加する。
  「特定秘密を取り扱う者は、自己の職務上の良心に従い、特定秘密の指定、解除及びその管理に適性を欠くと判断したときは、後記内部通報制度に基づき、遅滞なく通報しなければならない。」
 理由: 内部通報制度を効果的に働かせるためには、内部通報を「特定秘密を取り扱う者等の責務」としなければならない。

Ⅱ(特定秘密の指定等)
1(1)別表該当性
イb 「及びアメリカ合衆国の軍隊(以下「米軍」という。)」を削除する。 
二c 「及び米軍の」を削除する。
 理由: いずれも法別表1のイ、二の拡大解釈であり、不当である。

1(2)非公知性
  「・・・・公表されていると認定する場合には、・・・・」を「・・・・公表されている場合には、・・・・」と改め、なお書き部分は削除する。
 理由: 公表されている場合には非公知性を欠く。それは客観的な事実の問題である。行政機関の長による認定、判断などを要件とすることは不当である。

1(3)特段の秘匿の必要性
  末尾文章を「など我が国の安全保障に個別的、具体的に記述し得る著しい支障を与える事態が生じるおそれがあるか否かにより行うものとする。」と改める。
 理由: 「我が国の安全保障に著しい支障を与える事態」とは極めて漠然としており、行政機関の長の主観的判断に流れてしまうおそれが大きい。そこで米国大統領令に倣い、「個別的、具体的に記述し得る」という字句を挿入する。

1(4)特に遵守すべき事項
 ア 指定漏れがないようにというようなことを書く必要はない。
 理由: 行政機関の特性として、指定過剰はあっても指定漏れなどということはあり得ない。
 イ 「公益通報の通報対象事実その他の行政機関による法令違反」を「公益通報の通報対象事実その他の行政機関による法令違反、及び行政機関の先行する失策、職権濫用、資源の不適切な管理又は浪費その他一切の行政機関の過誤の隠蔽を目的として」と改める。
 理由: 指定してはいけない場合を可能な限り漏れなく明示する。  
 ウ 「・・・指定する情報の範囲が明確になるよう努めること。」を「・・・指定する情報の範囲が明確にしなければならない。」と改める。
 理由:これを単なる努力義務にしてはならない。
 
Ⅲ(特定秘密の指定の有効期間の満了、延長、解除等)
3指定解除、又は有効期間満了後の行政文書の取り扱い
 (1)は法4条6項を書き下しただけのことであるが(2)は問題がある。現行公文書管理法5条5項では、歴史公文書等に該当するものとして内閣総理大臣と協議し、国立公文書館等へ移管・保存されるもの以外は廃棄されてしまう。そのこと自体問題であるが、行政文書のうちでもとりわけ重要であるべき特定秘密である情報を記録する行政文書は廃棄されてはならない。そのための措置を講じておく必要がある。

Ⅳ(適性評価の実施)
1適性評価の実施に当たっての基本的な考え方 
 (5)として、「適性評価に関わる者は、威迫、強制、不利益の示唆など不当な言動をしてはならないのは勿論、職制上の地位を利用した事実上の強要と誤解を招くような言動をしてはならない。」を付加する。
 理由: 事実上の圧力、心理的強制力を排除しなければならない。

2(3)関与の制限
  ・・・を除き、適性評価に関する事務に関与することができない。」を「・・・を除き、適性評価に関する事務及び調査に関与することができない。」と改める。
 理由: 調査関与者も限定する必要がある。

4(2)同意の手続
  評価対象者の家族及び同居人の氏名、生年月日、国籍及び住所の調査については、評価対象者の同意を得るだけでは足りない。
 理由: 家族及び同居人のプライバシーの権利を尊重しなければならない。

5(2)上司等に対する質問
  調査票の提出を求められた評価対象者の上司、人事担当課の職員らは、自己の職務上の知見及び職務上アクセスすることができる記録の記載のみに基づいて、これを作成するものとする。
 理由: 上司や人事担当課の職員らがさらに調査することにより評価対象者のプライバシーを侵害してはならない。
 
Ⅴ(特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施を確保するための措置等)
 4の特定秘密の指定及びその解除並びに特定行政文書ファイル等の管理の適正に関する通報が機能するには、前述のとおり特定秘密取扱業務者等が、自己の職務上の良心に従い、特定秘密の指定、解除及びその管理に適性を欠くと判断したときは、行政機関の通報窓口もしくは内閣府独立公文書管理監督の通報窓口に対し、遅滞なく通報することを責務として明記するべきである。
 さらに行政機関の長もしくは内閣府独立公文書管理監は、調査の結果どのような措置をとったか当該通報者に告知することとし、その措置に不服があるときの不服申し出制度を定めるべきである。
 さらに5の(1)内閣総理大臣の報告事項、(2)の情報保全諮問委員会への報告事項、(3)の国会への報告事項及び公表事項に、上記通報とそれに対する措置の経緯を含めることとする。
 理由: 通報制度を単に絵に描いた餅にしないための措置、工夫が必要である。

                                               以上
                    
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プロフィール

Author:深草 徹
1977年4月、弁護士登録。2013年4月、セミリタイア。
「これからも、社会正義の話を、青臭く、続けよう。」

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