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戦後憲法9条論争・よみがえらせよう平和主義

 「憲法9条にノーベル平和賞」との市民運動は、大きく広がり、署名は41万名を超え、オスロ国際平和研究所ウェブサイト上の受賞予測リストで「憲法9条」がトップに躍進したとのことである。2014年のノーベル平和賞は、10日に発表される。おおいに期待するとともに、さらなる署名の上積みを呼びかけたい。
 
 憲法9条は、アメリカと自民党政権により、ズタズタに切りさいなまれ、痛々しい姿となってしまったが、まだ生命をとどめている。ノーベル平和賞受賞により、再び世界にはばたかせたいものだ。

 日本国憲法誕生に大きな貢献をした幣原喜重郎戦後第二代首相は、憲法改正要綱草案を正式に帝国議会に発議するための枢密院での審査にあたり、憲法9条について次のように説明した。

 「戦争放棄は正義に基づく大道で、日本はこの大施をかかげて国際社会の原野をひとり進むのである。・・・原子爆弾の発明は、世の主戦論者に反省を促したが、今度、更にこれに幾十倍幾百倍する破壊力ある武器も発明されるであろう。今日のところ世界はなお旧態依然たる武力政策を踏襲しているが、他日新たなる兵器の威力により、短時間のうちに交戦国の大小都市を悉く灰燼に帰するの惨状を見るに至らば、そのときこそ諸国は初めて目覚め、戦争の放棄を真剣に考えるであろう。その頃は、私はすでに命数を終わって墓場の中に眠っているであろうが、その時、私はその墓石の陰から後ろをふりかえって、諸国がこの大道につき従ってくる姿を眺めて喜びとしたい。」(1946年3月20日枢密院非公式会議)

 幣原喜重郎は、次の吉田茂内閣に、主として憲法改正を担当する副総理格の国務大臣として残り、憲法制定議会(第90帝国議会)において、政府を代表して幾たびも答弁に立った。その中から、一つだけ引用しよう。1946年8月27日の貴族院本会議における答弁である。

 「改正案の第9条は戦争の放棄を宣言し、我が国が全世界中最も徹底的な平和運動の先頭に立って指導的役割を占むることを示すものである。今日の時勢になお国際関係を律する一つの原則として、或る範囲の武力制裁を合理化、合法化せんとするが如きは、過去における幾多の失敗を繰り返す所以であって、もはや我が国の学ぶべきところではない。文明と戦争とは結局両立し得ないものである。文明が速やかに戦争を全滅しなければ、戦争が先ず文明を全滅することになるだろう。私は斯様な信念をもってこの憲法改正案の議にあずかったのである。」

 残念ながら、幣原喜重郎の信念と願いを裏切り、我が国は、アメリカの強制するままに再軍備をし、いまや世界でも有数の軍事力をもつ自衛隊を保持するに至ってしまった。

 政府が自衛隊を合憲とする論拠は、憲法9条は国家固有の権能として自衛権を認めており、自衛のための最小限度の実力を保有することを禁じていないということにあった。そして、その自衛権とは、①わが国に対する急迫不正の侵害の現存、②その侵害を排除するためにほかに手段・方法がない、③侵害を排除するために必要最小限度の実力行使、なる「自衛権行使三要件」に該当するものでなければならいとの見解を示した。

 これらは自衛隊の存在とその活動を根拠付けるものであったが、同時にそれを制約する歯止めとしても機能してきた。即ち、そこから自衛隊は領域保全のため専守防衛に徹しなければならない、攻撃的兵器の装備は認められない、海外派兵と海外での武力行使は禁止される、集団的自衛権の行使は認められないなど、重要な原則が導き出されたのであった。憲法9条は、いわば最後の一線において現時的規範として踏みとどまり、命脈をとどめたのである。

 しかし、7.1閣議決定は、これらを根底から覆そうとするもので、このまま実行されれば憲法9条は、死文と化すほかはない。まさに瀬戸際である。

 私たちは、これを実行せんとする政府の如何なる試みをも阻止しつつ、憲法9条の真髄を再確認し、「我が国が全世界中最も徹底的な平和運動の先頭に立って指導的役割を占むることを示」したいものだ。

                               (了)
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プロフィール

Author:深草 徹
1977年4月、弁護士登録。2013年4月、セミリタイアして4年。歳を重ねましたが、「これからも、社会正義の話を、青臭く、続けよう」と思います。

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