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何のための面談だったのだろうか



 10月20日、大阪市役所内で、橋下徹大阪市長と朝鮮人・韓国人にヘイトスピーチを伴う街頭行動を繰り返している在特会の桜井誠会長との面談が行われた。この面談の内容と評価を述べる前に、面談に至る経緯を整理してみよう。

  7月8日、大阪高裁において、京都朝鮮第一初級学校事件控訴審判決の言い渡しがあった。この判決において、大阪高裁は、在特会らのヘイトスピーチは人種差別撤廃条約1条にいう「人種差別」に該当する人権侵害であり、また名誉毀損にあたると認定、表現の自由によって保護されるべき範囲を超えたものであり、不法行為を構成すると判断し、一審・京都地裁判決に対する在特会らの控訴を棄却した。

 これを受けて、7月10日の定例記者会見において、橋下市長は、ヘイトスピーチについて「ひどすぎる。大阪市内ではヘイトスピーチは認めない。」と述べた。その後、被害者側関係団体から、ヘイトスピーチ規制に関する申し入れが、在特会側からはそれに反発する申し入れが、それぞれ大阪市に対してなされていた。それらをめぐる具体的な動きは、新聞報道もされていないのでよくわからないが、どうも橋下市長は、9月に入ってから、在特会との面談の肚を固めたようである。

 はっきりしたのは9月25日のことである。同日の定例記者会見で、橋下市長は、ヘイトスピーチについて「特別永住者制度がおかしいと言うなら日本政府に言うべきだ。公権力を持たない人たちを攻撃するのは、ひきょうで格好悪い」と批判するとともに、10月中にも在特会と面談するので、その際に、こうした意見を伝える考えであると述べた。

 これに対し、被害者サイドにおいては、ヘイトスピーチを規制するためなら、市の担当者らも現場に出ており、またネット上で動画が出回っているから、在特会側から直接話を聞く必要はないなどと、橋下市長が在特会との面談することには批判的な意見が多く出されていた。橋下市長に対し、「会うべきは被害を受ける当事者である」、「市長が在特会と面談することにより『人種主義集団』を承認するかのような印象を与えるのは避けるべきだ」との申し入れもがなされていた。
 
 しかし、橋下市長は、こうした声も無視し、司法において厳しく指弾された在特会の会長桜井誠氏と面談するに至ったのである。

 面談の模様については、次のように報じられている。

 ヘイトスピーチ(差別的憎悪表現)の対策を検討している大阪市の橋下徹市長は20日、『在日特権を許さない市民の会』(在特会)の桜井誠会長と市役所で意見交換をした。両者は怒号を飛ばして激しく応酬。主張は平行線のまま、30分の予定が10分弱で終わった。

 橋下氏は7月の記者面談で「ヘイトスピーチはやり過ぎだ。僕が直接対応する」と表明。これを受けて、在特会側が面談を申し入れていた。面談は報道陣に公開で行われ、会場となった市役所の会議室には100人ほどの報道関係者らが詰めかけた。

 橋下氏は「民族とか国籍をひとくくりにして評価するような発言はやめろ」と批判。そのうえで「参政権を持っていない在日韓国人に言ってもしょうがない。在日の永住制度に文句があるなら、それをつくった国会議員に言え」と求めた。

 これに対し、桜井氏は「あんたの友だちの国会議員に言っている」と返答。ヘイトスピーチを行ったという具体的な事実関係を示すよう求めたうえで、「民主主義のルールに基づいてデモ行進をやっている。言論の自由を否定するのはやめろ」と反論した。

  (朝日デジタル 10月20日21時45分配信)

 この報道では具体的な言葉のやりとりがつかみとれない。生のやりとりは、ネット上で一部始終が動画で視聴できるので、関心のある方には、見て頂くことにしよう。以下には、産経新聞(デジタル版 10月20日18時53分配信)により、紹介しておこう。

 桜井氏「あんた」
 橋下市長「『あんた』じゃねぇだろ」
 桜井氏「『お前』でいいのか?」
 橋下市長「お前なぁ」
 桜井氏「『お前』って言うなよ」
 橋下市長「うるせぇな、お前」

 数メートル離れて着席し、向き合った2人は冒頭から呼び方をめぐりヒートアップした。激高した様子の桜井氏が突然、立ち上がって橋下市長に近づき、周囲で警戒にあたっていた警護の警察官たちが一斉に制止に動く。面談は終始、険悪な雰囲気で行われた。

 (中略)

 「(在日韓国・朝鮮人に関する)制度に文句があるなら国会議員に言え。参政権を持たない人に言っても仕方ない」。橋下市長は桜井氏に対してこう主張し、「お前みたいな差別主義者は大阪にはいらない」と不快感をあらわにした。

 桜井氏も「国会議員には言っている」「誰が差別主義者だ」「(韓国側が)日本人をひとくくりにして誹謗(ひぼう)中傷をやるから闘っている」と応酬。

 双方が怒気をはらんだ声で言い合いを続けたが、橋下市長が10分弱で事務方に「もう終わりに」と言って打ち切った。

 ところで、普通、こういうやりとりというのは面談とは言わないだろう。これは単なる口げんかである。それも、とびきりひどい言葉の応酬で、まともに視聴できない類のものである。

 この面談において、橋下市長と在特会桜井会長が一対一で対面し、対等にわたりあう場面が演出され、動画で広く流された。在特会は鼻高々であろう。しかし、桜井氏の言葉遣いの荒さと激すると暴力にも及びかねない行動を示したことにより、やっぱり在特会とはそういう団体なのだということをあらためて認識させることになった。
 一方、橋下市長は、ヘイトスピーチが許されないことを、理を尽くして説明できず、桜井氏と同様に激情に走り、断片的な荒っぽい言葉を投げつけるだけで、大阪市民を預かる市長の器ではないことをはっきり示した。

 ともあれこの面談は何のために行われたのか、さっぱりわからない、あと味の悪い結果に終わったことは確かである。       (了)
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プロフィール

Author:深草 徹
1977年4月、弁護士登録。2013年4月、セミリタイア。
「これからも、社会正義の話を、青臭く、続けよう。」

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