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そんな姑息な改訂で「日米地位協定」の欠陥は是正されない

  「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力および安全保障条約第6条にもとづく施設および区域並びに日本国における合衆国の軍隊の地位に関する協定」という大変長ったらしいタイトルが付された、日米間の協定がある。略して「日米地位協定」と呼んでいる。安保条約にもとづいてわが国に駐留する米軍の活動、基地と訓練区域の自由使用、及び米軍構成員、軍属ならびにそれらの家族の権利・地位を保障するもので、「協定」なる用語が使われているが、国会で承認を得た条約である。

 元「琉球新報」論説委員長・現在沖縄国際大学大学院教授前泊博盛氏編著の『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』(創元社)によると、「日米地位協定」には以下の5点にわたる問題点があると指摘されている。

① 米軍や米兵が優位にあつかわれる「法の下の不平等」
② 環境保護規定がなく、いくら有害物質をたれ流しても罰せられない協定の不備など「法の空白」
③ 米軍の勝手な運用を可能にする「恣意的運用」
④ 協定で決められていることも守られない「免法特権」
⑤ 米軍には日本の法律が適用されない「治外法権」

 ここに指摘されたようなことは、「日米地位協定」の条文を読むだけでは決してわからない。実は、これを米国側に全て都合よく解釈してあげた逐条解釈書が存在しており、それを読んではじめてわかるのである。この逐条解釈書は、外務省作成にかかる「日米地位協定の考え方(増補版)」という大部の冊子である。しかし、門外不出、機密文書なのである(「琉球新報」により、2004年1月に、スクープされ、事実上全文が新聞紙上に載ったが、外務省は、これを認めていない。)。

 10月21日付「朝日新聞」朝刊は、この「日米地位協定」に関し、以下のとおり報道した。

 日米両政府は20日、日米安保条約に基づいて米軍による施設、土地の利用などを定めている「日米地位協定」を補足する新たな協定(環境補足協定)を結ぶことで大筋合意した、と発表した。基地内により厳しい環境基準を適用し、土壌汚染などの事故が起きた際、自治体が立ち入り調査するルールなどを今後定める。

 1960年の地位協定には環境保護の規定がなく、仲井真弘多知事ら沖縄県側は、土壌や水質の汚染が指摘されてきた米軍基地内の環境調査を可能にする補足協定をつくるよう求めていた。11月の沖縄県知事選を控え、安倍政権側には、米側との合意を通じて、3選をめざす仲井真氏を後押しする狙いもある。

 新協定には、日米双方の環境基準のうち厳しい方を採用した「日本環境管理基準」(JEGS)の適用を明記。在日米軍は95年からJEGSを自主的な規制としてきたが、運用実態は不透明だった。日本側には、明文化によって米側に順守を義務づける狙いがある。

 (以下略)

 なんのことはない。仲井真弘多知事ら沖縄県側は、上記の問題点のうち②の一部のみのみなおしを求め、政府がこれを容れて、日米交渉により大筋合意に達したというわけである。しかも、これを見ると立ち入り調査を認めるというに過ぎず、環境基準に違反した場合の強制措置や罰則など一切検討されていないようである。

 仲井真知事は「難しいものを頑張られて、高く評価する」と大はしゃぎをしているそうだ。来る知事選に向けての大きな支援、大きなプレゼントだと感謝しているのである。昨年末の辺野古埋め立て承認のときと同様に相変わらずのパペットモンスターぶりだ。

 本質的欠陥をかかえている商品を売ろうとする悪質業者は、表面の傷を丁寧に修整し、その痕跡をわざと残しておく。消費者は、それによって念入りにチェックされた商品であるかのように錯覚し、購入してしまうものだ。だが、表面を糊塗したものほどその内部に致命的な欠陥があることが多い。賢明な沖縄県民は、きっとこのことを見抜き、県民を裏切った仲井真知事にノーを突きつけるだろう。         (了)
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プロフィール

Author:深草 徹
1977年4月、弁護士登録。2013年4月、セミリタイアして4年。歳を重ねましたが、「これからも、社会正義の話を、青臭く、続けよう」と思います。

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