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わが国が輝くにはどうするべきか

 APEC閉幕後、オバマ米大統領と習近平中国国家主席は、10時間に及ぶ長い会談を終え、これまで温室効果ガス削減を目指す国際的取り組みに大きく立ちはだかっていた二大排出国たる米中が、温室効果ガス削減目標で合意し、今後、国際的取り組みにおいて大きな役割を果たすことを確認したことなどを盛り込んだ共同声明を発表した。

 今回の中国側の異例の歓待ぶり、米国側のこれへの応接ぶり、異例の長時間にわたる実のある会談などは、米・中新時代の到来をうかがわせるに足るものであった。勿論、両国間には、米国は、国内の人権問題や東シナ海や南シナ海での行動をめぐって中国に対して強い警戒と批判を持ち、かつ公然と表明する、中国は主権の問題・内政問題としてこれに強く反論するという対立は現に存在し、蜜月関係とはいかないであろうが、その大異を残しつつ、新たな段階の戦略的パートナーシップを示したといえる。習主席は、これを「新型大国関係」と表現し、オバマ大統領は「両国関係の新たなモデル」と表現しているとのことであるが、これまでの米中関係を一歩も二歩も進展させたものである。

 両国は、この強力な関係を通じて、アジア・太平洋地域のみならず、世界全体に対して、基本的方向性を与えることになるだろう。

 そこへいくと米中についで世界第三位の経済大国たるわが国は、APEC外交において間違いなく脇役であったし、影の薄い存在であった。辛うじて実現した安倍首相と習主席の会談は、安倍首相自らの発意で、日中間の懸案事項を整理し、課題を設定し、それを解決するために主体的に取り組んだものではなく、おそらくは米国筋からネジを巻かれて、重い腰を上げたのであろう。それでも何もなかったよりはあった方がよかっとことは確かである。たとえ会談時間が僅か25分であっても、会談後の握手がぎこちなく苦虫をかみつぶしたような表情であったとしても。

 11月11日付「朝日新聞」朝刊は、安倍・習会談の内容を要領よく整理している。それは以下のとおりである。

①海上連絡メカニズムについて事務協議を実施することで一致
②戦略的互恵関係に基づく日中関係の発展を確認
③習主席は「歴史認識は13億人の国民の感情の問題」
④安倍首相「安倍内閣も歴代内閣の歴史認識の立場を引き継いでいる」

 ①は偶発的な海上における艦艇の衝突を防ぐためのシステム構築のため、双方軍事・防衛当局者の協議を進めることを確認したということである。この確認に基づいて、今、両国間で最も懸念されるリスク要因を除去するための具体的措置を早急に練り上げるべきだ。

 ②は第一安倍政権における日中関係の基本に立ち返ることを確認したものである。中身はない単なるスローガンのようでもあるが、外交関係では、こういうものが大きな力を発揮することも往々にしてあるものだ。

 ③は日本の侵略による被害国たる中国の国民にとっては当然のことであり、これに対して④は村山内閣の立場を承継すると述べたのであるが、いかにも形式的である。同じ言葉になったとしても安倍首相自ら、中身をきちんと述べるべきであろう。

 次は朴槿恵韓国大統領との会談を早急に持つべきである。

 安倍首相は、APECのあとASEAN首脳との会談を行い、またまたこれら諸国と中国との緊張関係を利用して、自らの信念である「積極的平和主義」なる軍事力に基づく抑止力論を売り込んでいるようである。しかし、ASEAN諸国は、東南アジア友好協力条約(TAC)、東南アジア非核地帯条約(SEANWZFG)、ASRAN地域フォーラム(ARF)、南シナ海行動宣言(DOC)、東アジアサミット(EAS)、ASEAN共同体など、軍事力による抑止論を卒業した平和の体制をつくりつつある。そこに安倍首相が、喧嘩太郎のごとく闖入しては迷惑であろうし、わが国の地位を貶めることになるだけだ。

 わが国は、このASEAN諸国の長い時間をかけた地道な取り組みに学び、これを最も紛争の火種の大きい東アジアにおいて応用した平和外交を展開し、この地域に軍事力によらない集団的な安全保障の体制を構築する努力をするべきである。それは憲法9条を生かす道であり、それによってはじめて世界第三位の経済大国としての真価を発揮することができると私は確信する。  (了)
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プロフィール

Author:深草 徹
1977年4月、弁護士登録。2013年4月、セミリタイアして4年。歳を重ねましたが、「これからも、社会正義の話を、青臭く、続けよう」と思います。

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