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解散・総選挙の意味がようやくわかった

「朝日新聞」12月9日付朝刊は以下のように報じている。

 内閣府は8日、2014年7~9月期の国内総生産(GDP)の2次速報を発表し、成長率を下方修正した。
 (中略)
 7~9月期のGDPの2次速報では、物価の変動をのぞいた実質成長率は、前期(4~6月)と比べて0.5%減、この状況が1年続いた場合の年率で1.9%減となった。1次速報では、年率で1.6%減だった。
 (中略)
 公共事業が詳細な統計が入って落ち込んだほか、設備投資がとくに個人事業主などで伸びず、下げ幅が広がったためだ。
 (以下略)

 アベノミクスが誇る「異次金融緩和」なる黒田バズーカ砲が轟音をとどろかせてから1年半、これは一体どう考えたらいいのであろうか。そう思って、本日発売の雑誌『世界』1月号に掲載された内橋克人『アベノミクスは「国策フィクション」である』と題する論文を読んでみた。この論文は、見事に、これを解き明かしている。

 今回とられた「異次元金融緩和」の手法は、市中銀行の保有する国債を日銀が金にいとめをつけずにドンドン買い取ることにより、通貨を市中銀行に供給し、市中に通貨を潤沢に行きわたらせるというものである。国の借金である国債を日銀が直接引き受けることは「財政ファイナンス」と呼ばれ、多くの先進国では「禁じ手」とされている。そこで迂回路を使い、市中銀行の現に保有する国債を買うというわけである。しかし、実質的には、直接引き受けとはいかほども変わらない。

 市中銀行が保有する国債は、実に770兆円、そのうち本年10月末までに118兆円弱を日銀が買った。つまり日銀から市中銀行に118兆円弱に及ぶとんでもない額の通貨が供給されたのである。さぞやあちこちで金があふれていることであろうと思いきや、そのような状況には全くなっていない。

 市中銀行は、日銀に、当座預金口座を持っており、不要不急の資金はそこに預金している。その預金額の合計と実際に市中に出回っている現金の合計額を「マネタリーベース」という。その「マネタリーベース」は、2013年3月末には134.7兆円弱であったのが2014年10月末には252.5兆円と倍近くに膨らんでいる。その差額は117.8兆円である。これらが生きて働き、経済の米になって設備投資や原材料購入、あるいは消費にまわっていれば、経済は栄養をもらって活況を呈することになる。

 安保・防衛にはめっぽう強いが経済にはからきし弱いといわれる安倍首相は、きっとそうなるものと信じこまされたのであろう。冗舌で自信家の黒田日銀総裁に、よっしゃ、頼むとばかりに任せていた。

 ところがである。なんと「マネタリーベース」のうち、日銀に開設されている市中銀行の当座預金の残高だけがブクブク膨れ上がり、市中に出回る通貨は逆に減っているのである。具体的数字をあげると以下のとおりである。

                2 013年3月末    2014年10月末
  当座預金残高         47.3兆円      167.7兆円  
  市中に出回る通貨      87.4兆円       84.8兆円

 この当座預金口座に積みおかれた預金残高を「ブタ積み」と呼ぶそうである。これは氷付けされた冷凍マネーである。冷凍マネーが膨れ上がり、生きて、働き、経済の米となるべき金はむしろ減少している。これでは景気が後退するのも当然である。

 安倍首相は、それでも、サッチャーにあやかって「この道しかない」(「There is no alternative」)とばかりに、アベノミクスを推し進めることを宣言しているが、これは「鉄の女」ではなく、「鉄面皮」というべきであろう。

 つらつらおもんぱかるに、今回の解散・総選挙は、破綻が見えすいているのに、選挙で信任を得たとばかりにアベノミクスを推し進め、破綻が現実化したら、あなた方は選挙で信任したではないか、だから私は推進したのだ、信任したあなた方が悪いのだといって、自己の責任を国民に押し付けるための悪だくみではなかろうか。 (了)
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プロフィール

Author:深草 徹
1977年4月、弁護士登録。2013年4月、セミリタイアして4年。歳を重ねましたが、「これからも、社会正義の話を、青臭く、続けよう」と思います。

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