スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

おそまつな外務省のテレビ朝日への抗議、訂正申し入れ

 2月3日、外務省ホームページに、妙な文章が掲載された。外務報道官及び中東局長の連名で、テレビ朝日に対し、文書及び口頭で申し入れを行ったとのコメントが付されている。短い文章だから全文を掲載しておこう。

****************************************

貴社は,平成27年2月2日放送の「報道ステーション」において,シリアにおける邦人人質殺害事件につき報じる中で,総理の中東訪問に関し,「そもそも外務省関係者によれば,パリのテロ事件もあり,外務省は総理官邸に対し中東訪問自体を見直すよう進言していた」旨報じ,また,エジプトで行われた総理の政策スピーチに関し,「外務省幹部によると,この内容についても総理官邸が主導して作成されたという」と報じるなど,あたかも外務省の意に反して,中東訪問が行われ,スピーチの当該部分が作成されたかのような報道がありました。

 この報道内容は事実と全く異なるものです。

 総理の中東訪問については,同2日の参議院予算委員会で総理も述べられているとおり,様々な観点を総合的に判断して決めたものであり,貴社のように社会的に影響力の大きい報道機関が,このように事実に反する報道を行うことは,国民に無用の誤解を与えるのみならず,テロリストを利することにもつながりかねないものであり,極めて遺憾と言わざるを得ません。

 当該報道に関し強く抗議するとともに,本日の番組の中で速やかに訂正されるよう強く求めます。

 なお,同番組のその他の部分については,申し入れの対象としておりませんが,外務省としてそれらの内容について確認したものではありませんので,念のため申し添えます。

****************************************

 今回の中東訪問とそのスケジュール、安倍首相のスピーチの内容、イスラエル国旗の前でスピーチしたというパフォーマンスなどをめぐっては様々に取り沙汰され、安倍首相への批判は根強い。とりわけイスラム国側が、直接に殺害予告と身代金要求の根拠としてあげたカイロでのスピーチの次のくだりは、イスラム国側に犯行の口実を与えたものであり、不用意かつ挑発的な発言ではなかったのかと指摘する意見が多く、安倍首相の責任問題に発展しかねないものであった。

 報道ステーションは、外務省関係者、外務省幹部への取材で、これらは官邸サイドが主導したものと報じたのである。報道ステーションの視聴者の多くは、この報道から、これらのことには、安倍首相の意向が強く働いていたのであろうと推測した筈である。それは、安倍首相にとっては、穏やかならざることだ。ただちに官邸サイドから、外務省へ指示がとんだことは見え見えである。「善処せよ」と。

 外務省は、あわてふためいて、上記のとおりのテレビ朝日への抗議、訂正の申し入れとあいなった次第である。あわれなるかな、ストレイ・シープではないか。しかしながら、真実は自ずからあらわになる。上記の文章を読むと、報道ステーションの報道内容がほぼ間違いないことを認める結果に終わってしまっているのである。

 まず「外務省は総理官邸に対し中東訪問自体を見直すよう進言していた」との報道に対しては、「総理の中東訪問については、同2日の参議院予算委員会で総理も述べられているとおり、様々な観点を総合的に判断して決めたものであ(る)」と、一見、事実と異なる点を具体的に指摘しているように見えるが、よく読むと、そうではない。様々な「観点を総合して決めた」というのはおそらくそうだろう。しかし、それは最終的な決定の態様を述べているに過ぎず、その過程で、外務省は見直しを進言したが、官邸サイドが強く主張し、決まったとの報道内容と排斥するものではないのである。

 次に総理のスピーチの内容が「総理官邸が主導して作成された」との報道に関しては、何らの具体的指摘もしておらず、報道内容を自認したに等しいのである。もっともこれは、直後の4日の衆議院予算委で、安倍首相本人が、「私の責任でスピーチを決定した」と認めてしまった。外務省の面目丸つぶれであろう。

 かくして、「国民に無用の誤解を与えるのみならず,テロリストを利することにもつながりかねない」ことをしているのは、このようなへんてこりんな抗議、訂正申し入れをした外務省であり、さらにはその背後にいると思われる某高官であることは、一目瞭然となった。

 蛇足になるかもしれないが、安倍首相のカイロでのスピーチの問題部分は以下とおりである。ここには人道支援などという文言は入っていない。

 「地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺諸国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します。」
 (了)
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:深草 徹
1977年4月、弁護士登録。2013年4月、セミリタイアして4年。歳を重ねましたが、「これからも、社会正義の話を、青臭く、続けよう」と思います。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。