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明治維新という時代

大西郷は永続革命をめざしたのか?(3)

政権の要石となった西郷
 
(西郷の建策)

 おそらくこの勅使岩倉の鹿児島訪問直後のことと思われるが、西郷は、日ごろ政府に対して抱いていた不満を解決するために、以下のような建策をしたため書簡を岩倉に送った。一般に、西郷の「24箇条意見書」と呼ばれているものである。残念ながらその原本は残っておらず、書物によって異なる記述がなされている。以下の抜粋は、猪飼隆明『西郷隆盛―西南戦争への道―』(岩波新書)による。

 「皇国の国体は此の通り、目的は此の通りと、本朝中古以上の体をもとに据え、西土西洋の各国までもあまねく斟酌し、一定不抜の大体を知るべし。」
 「政権一途に出でざれば、分崩支離統紀なく、諸事貫徹せず。故に、廟堂上政権一に帰し、参政の人々常に闕下に(注:「皇居近くに」との趣旨)居住し、いかなる大乱変事あるとも政府に立たざるべからざる法を立つべし。」
 「朝廷上より府藩県に至るまで、政令一徹に出て、前後一貫二場ならざるようにすべし。」
 「上よりは府藩県一視同仁、その間一点の愛憎まじゆべからず。」
 「郡県封建の制、なおまた評議すべし。方今現時(注:「最近」という意味だろう。)の形成を観るに、郡県の制は長く行われがたからん。その弊害枚挙すべからざるに至らん。衆賢熟議の上、徐々にその制改むべし。」
 「朝廷に兵権なければ、いわゆる空名を上に掲げ給うまでにて、ややもすれば諸藩兵威をもって上を動かし、朝意あい立つ期なし。」
(以下略


 西郷独特の晦渋な文章が並んでおり、わかりにくいのであるが、超訳?すると、要するに彼の求めたものは中央集権制の確立と、統一され、公正で一貫性のある政治であったと言えそうである。

 これもまたおそらくであるが、岩倉から、この建策に同意する旨の回答を得られだろう。西郷は、ようやくのこと政府に参画する決断をしたのである。

 西郷が上京した直後の同月28日、右大臣三条実美邸で、岩倉、西郷、木戸、大久保、板垣、杉孫三郎(山口藩)の会談が行われた。その場で、上記「朝廷に兵権」をおくとの西郷の建策が協議され、採択され。これに基づき、4月2日、鹿児島藩歩兵4大隊、砲兵4隊、山口藩歩兵3大隊、高知藩歩兵2大隊、騎兵2小隊、砲兵2隊の合計1万の兵を徴集旨の命令が下され、同月11日、勅令によりこれらを兵部省管轄の下に、御親兵として編成することとなった。
 
(新たな政府の構成)

 この時期の政府は、太政官制であり、太政官の下に外務、民部、大蔵、兵部、刑部、宮内の各省が置かれ、太政官を構成するのは右大臣、大納言、参議の三職で、その合議体が立法・行政の司令部として、今の内閣以上の強い権限を持っていた。
右大臣は、三条、大納言は岩倉、徳大寺実則、鍋島直正(佐賀)、参議大久保(鹿児島藩)、副島(佐賀藩)、広沢真臣(山口藩)であったが、広沢は、この年、2月27日に、暗殺された。
 各省には、長官として卿、次官として輔(経歴などにより大・中・少の格付けがなされる。)が置かれていた。

 西郷の上京後間もない頃から、岩倉、西郷、木戸、大久保、板垣らとの間で、新たな政府構成の検討が進められ、ようやく決着したのは8月11日のことであった。

 それによると参議は一新して、新たに西郷、木戸が就任することとなり、各省の卿・輔も一新された。各省人事の主だったところを挙げると、大蔵卿に大久保、大蔵大輔に大隈、民部少輔に井上、外務大輔に寺島宗則が就任した。

 これは西郷にとっても、一応満足のできるものだったようで、「このたびは俗吏もよほど落胆いたし、ぬれ鼠のごとく相成り申しそうろう」「大・少丞以下・・・・続いて相発しそうろうつもり」と、かつての盟友・鹿児島藩の桂久武に書き送っている(8月25日付書簡)。西郷のいう俗吏とは、おそらく特定の者ではなく、王政復古、戊辰戦争を闘い抜き、維新革命のとば口にまで達したところで、初心を忘れ、停滞し、退廃を始めていた政府要人全体に対する批判の言葉であったのではなかろうか。
         (続く)
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プロフィール

Author:深草 徹
1977年4月、弁護士登録。2013年4月、セミリタイアして4年。歳を重ねましたが、「これからも、社会正義の話を、青臭く、続けよう」と思います。

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