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明治維新という時代

大西郷は永続革命をめざしたのか?(9)

(虎の尾を踏んだ太政官制の改革)

 西郷は、大久保留守中、大蔵省事務監督として、大蔵大輔井上以下を統括していたが、上述の1872年12月中旬から翌年4月初旬まで、島津久光問題で東京を不在にし、その後もおそらく4月いっぱいは、それに振り回されていただろうと思われる。そのため大蔵省は、この時期、人格・品性ともに見劣りのする井上が、その部下の渋沢栄一(三等出仕・少輔相当)とともに取り仕切っていた。

 井上は、1873年度予算編成において、前年9月発布の「学制」に基づき、各級学校の整備に力を入れていた文部省と、地方官から裁判事務を回収するため地方裁判所の整備に力を入れていた司法省の予算要求をいずれも半額にする、その一方で陸軍大輔山縣の率いる陸軍省の予算要求はほぼ満額認めた。
 そのため井上には、文部卿大木と司法卿江藤から、不公平かつ専横だとして批判がなされた。さらに工部省予算をめぐっても井上批判の声があがった。井上は、そうした批判に真摯に対応せず、長期欠勤し、大蔵省の事務停滞を招いてしまった。三条の岩倉宛て書簡では、「大隈参議にももっぱら周旋尽力しおり、決して瓦解に至りそうろうようの義はこれなく、不日折り合いもあいつき申すべく存じそうろう」としたためてあったが、この問題、そんな容易なことではなかった。 

 三条が、岩倉宛て1873年1月19日付書簡、及び「国事多端」4項目を伝えたその先便を書いた後、まもなく大蔵省問題は重大な進展を見せる。
 まず1月25日、江藤が、予算削減に抗議して太政官宛て辞表を提出する。それには「法律が定まり、訴訟制度が確立されてはじめ民の権利が保全される。そうしてはじめて民が富み、税収の実もあがる。さすれば軍備も拡充できる。工業も教育も盛んになる。等々」と司法制度整備の重要性を訴え、現状を憂え、今予算要求がいかに重要であるか具体的に明示する堂々たる文章が綴られていた。江藤の辞表が提出されると、司法省の主だった幹部は、一斉に江藤を支持し、三権分立の下での司法権の確立、法による国民の自由・人権の保障が司法省の任務であることを訴える意見書を太政官に提出した。

 この問題は、はしなくも太政官による各省の統制・指導力不足を露呈したものであり、三条は、左右大臣・参議の合議体の強化、即ち第一に参議の補強、第二に正院への権限集中を図ることを余儀なくされた。前者に関しては、同年4月19日、後藤、大木、江藤の3名を新たに参議に任命し、後者に関しては、5月2日、太政官職制を改正して参議の権限を強化し、正院の合議を重視し、逆に太政大臣の最高意思決定権を奪い、上奏権を形式的・名目的なものに引き下げた。もう少し具体的にいうと、1871年9月制定の「太政官職制」では、「参議は大政に参与し、官事を議判する」と定められていたのを、「参議は内閣の議官にして、諸機務議判の事を掌る」と改め、「内閣は凡百施設の機軸たる所」と定められたの。これにより、正院の合議を「内閣」と規定し、そこに国政の最高意思決定権を与えたのである。

 このような太政官制改革は、既述の大久保が目指したピラミッド型有司専制の体制、太政官の最高意思決定権と上奏権を前提とし、参議の有力者もしくは各省の長官の有力者・・・まさに大久保のことであるが・・・が太政大臣へ働きかけ、その最高意思決定権と上奏権を利用して自己の意思を貫徹する体制の否定にほかならない。
 三条は、同年5月、岩倉に宛てた書簡で、「(要旨)使節団の帰国まではなるべく改革はしないように相談していたのだが、次第に各省の対立が進み、会計上もさしつかえが生じ、このままでは瓦解してしまうので、やむなく評議の上、改革した」と弁明したが、大隈などは「(要旨)そもそも使節団派遣は、内政、外交いずれの面でも薩長の軋轢や諸官吏の対立で、停滞をしたので、できるだけ海外に出し、『鬼の留守に洗濯』しようとしたのだ」(『大隈伯昔日譚』)と、ズバリと本音を吐露している。

 ともあれ、この改革は、まさに虎の尾を踏んだ、という類のものであったことは確かであり、ここに再三指摘してきた新たな対立と抗争の激化する一局面を見ることができる。

 なお、井上と渋沢は辞表提出したものの、その真意は却下されることを願ったのであろうが、内閣は、5月9日、これをあっさりと受理してしまった。これで一件落着というべきところだったが、井上と渋沢は、憤懣やるかたない思いで、歳入、歳出の数字が書かれた辞表文を新聞に掲載させてしまった。そのため国家機密を漏えいしたとの嫌疑を受けて司法省から追及を受けるという落ちまでついてしまった。
 立つ鳥跡を濁さずというが、井上は立つ前も立ってからも濁し続けたのである。
                                    (続く)
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「公務員「忖度」は職権悪用公金詐欺窃盗重大刑事犯罪」

「日本国憲法15条公務員年齢制限厳格化改正」
https://sptnkne.ws/e4WA

日本国憲法下の選挙の正しい本質
https://latache1992.blog56.fc2.com/blog-entry-769.html#comment17986

日本国憲法前文に書かれている「正当な」正しい選挙とは、政党選挙ではない。

正しい選挙の決めごとを全部書くと長くなるのでひとつずつ小分けに書きましょう。


まず議員職に年齢制限をつけることが絶対の必要条件です。

市区町村議員は40歳で全員議員引退。35歳の方がいいかもね(笑)

都道府県会議員は50歳で全員引退。こっちも45歳のほうが良い。

国会議員は何歳でもオーケー。
ただし任期中の国会会期(定期臨時とも)のなかで1ヶ月の病気欠勤があればいったん職を解く。
当該議員と議員の椅子を争って敗れた同じ選挙区の次点候補が次の国会議員選挙まで代行すればよい。

当然政党選挙の比例代表制は廃止ね(笑)
政党助成金も全廃とする。

首長職については市区町村長・都道府県知事ともに国会議員と同じく年齢制限無しとする。

これが何を意味するかと言えば、国会議員選挙と首長選挙の立候補者は何歳でもよいが、地方議員選挙の立候補者には市区町村議員35歳未満都道府県議員45歳未満の厳格な立候補年齢上限を設けると言うこと。

当然議員年金支給も打ち切りです(笑)
公務員は全員国民年金一律支給だけだね(笑)。

勤労しないで税収から報酬をもらうだけの公僕職に賞与や年金優遇は不要であり、そう言う経済的余得を求めるのなら機会均等の実社会へ出て汗水垂らして真面目に勤労すれば自分の腕一本でいくらでもすきなだけ稼げるのだから、意気地のある者は河原乞食にも劣る無芸無為徒食の穀潰し公務員職などさっさとやめなさい。
公務員如きのかわりなら日本の賢い小6や中学生でもできるからなんぼでもおるよ(笑)

このように国会議員と首長の職以外すべての被選挙職についてすべて立候補年齢制限と議員職年齢制限を厳格に設定する。これが基本中の基本である。

これが第1弾(笑)



ヒロヒト発言記録(1946・4~6)
     2013年 08月 20日
https://nueq.exblog.jp/20875307

政党助成金も全廃する。


第2弾「忖度は汚職という刑事犯罪である」

憲法15条公務員には一部ではなく全体に奉仕する「義務」がある。憲法では公務員に奉仕する相手を選ぶ「権利」は認めていない。

憲法は最高法規であるから、憲法で権利なき義務というのはすなわち「責務」であり、憲法責務というのはこれを果たさねば憲法によって刑法で処罰されると言うことだ。

公務員法には職務専念義務を定めてさらに公務の内容に立ちいたって憲法責務を果たすようすべての憲法15条公務員と、憲法99条総理大臣、国務大臣、国会議員、裁判官にも同じ「全体奉仕」職務専念「責務」を刑罰をもって科しているのである。
http://medg.jp/mt/?p=6810

日本国憲法に依って立法権のない公僕官僚が勝手に公僕行政府を「忖度」して、恣意的に行政法を作り国会予算執行をねじ曲げて、日本国君主「勤労納税主権者国民」が納税して形成した国庫へ一紙半銭でも損失を与え、憲法責務に反して全体でなく一部の利益に「奉仕」したなら、直ちに憲法99条違反内乱罪で逮捕起訴されねばならない。

このように「忖度」は紛れもなく汚職刑事犯罪であり、行政府公務員の忖度は憲法99条に違反して立法府国会を破壊するテロ行為の重大刑事犯罪そのものなのである。


Commented by 豊岳正彦 at 2017-05-28 05:47 x
https://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/371.html#c45

公務員の汚職は即国庫からの横領窃盗であり、公務員による刑事犯罪は即憲法99条違反内乱罪である。

また公務員が憲法の条文に違背する公務を行った場合、刑法213条により直ちに現行犯逮捕して送検し、刑法極刑の内乱罪容疑で起訴されねばならない。

憲法の規定に従い公開の刑事裁判で公務員不法行為の有無について公開審理を行う。

審理は大光王転輪王の五原則に則り慈悲仏法に従って正しく行われるのが世界に冠たる日本国憲法である。

裁判官もまた国民である以上憲法99条に違反すれば即内乱罪現行犯として逮捕起訴されるのである。


Commented by 豊岳正彦 at 2017-05-28 05:59 x

憲法99条違反についての公開の刑事裁判は、超急的にひらかれ即日即決迅速に結審しなければならない。
これは憲法32条、37条、83条による。

憲法違反の刑事判断においては一瞬一秒たりとも滞っては成らぬのである。

一瞬たりといえども滞れば日本の屋台骨が事故を起こして折れてしまうからである。

日本国憲法は仏法であるから、大光王転輪王統治にならわねばならず、決してそれを踏み外してはならない。
https://sptnkne.ws/dDF5
プロフィール

Author:深草 徹
1977年4月、弁護士登録。2013年4月、セミリタイアして4年。歳を重ねましたが、「これからも、社会正義の話を、青臭く、続けよう」と思います。

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