共謀罪法施行「弁護士は国民皆犯罪者化の悪法と闘い続けなければならない」


 共謀罪法(改正組織犯罪処罰法)が、本日、施行された。これにより、一般刑法犯を主体に277もの対象犯罪について、共謀段階での処罰が可能とされることになった。

 対象犯罪には、たとえば次に掲げるように、こんなものまでがと驚くようなものがある。

 収賄、窃盗、不動産侵奪、事後強盗、詐欺、背任、横領、盗品有償譲り受け等、森林窃盗、覚せい剤の使用等、強制わいせつ、特許法違反、実用新案法違反、意匠法違反、著作権法違反、所得税法違反、消費税法違反・・・。

 これらは、果たして「テロリズムその他の組織的犯罪集団」と親和性のある犯罪だと言えるのだろうか。本法が、マグロもタイも、そして雑魚までも、巨大な大網をうって一網打尽にし、「国民皆犯罪者化」をめざす大悪法であうことをあらためて思い知らされた。

 ともあれ実行行為に着手する前の段階で、277もの犯罪類型が創出されてしまった。目的遂行犯を加えるとその2倍というべきかもしれない。あっというまの犯罪類型の粗製乱造であった。

 共謀罪法の施行は、今後、わが国の刑事司法の運用に大混乱をもたらすであろう。放置しておけば、その被害は、国民が被ることになる。

 弁護士の役割はいよいよ重大である。

 とりわけ、これまでもしばしば捜査権限を濫用し、国民の権利・自由を不当に侵害した前歴を有する、警察、検察へのチェックは、まったなしである。

 日弁連が、とりまとめ、法務大臣、外務大臣に提出した2017年2月17日付「いわゆる共謀罪を創設する法案を国会に上程することに反対する意見書」には、以下の記述がある。

「計画」(合意)は人と人との意思の合致によって成立する。したがって、その捜査手法は、会話、電話、メール等の人の意思を表明する手段及び人の位置情報等を収集することとなる。既に通信傍受やGPS(グローバル・ポジショニング・システム)による捜査が行われているところ、共謀罪の捜査のためとして、新たな立法により、更なる通信傍受の範囲の拡大、会話傍受、更には行政盗聴まで認めるべきであるとの議論につながるおそれがある。このような捜査手法が認められたなら、市民団体や労働組合等の活動を警察が日常的に監視し、行き過ぎた行動に対して、共謀罪であるとして立件するおそれもあり、市民の人権に少なからぬ影響を及ぼしかねない。」

 弁護士は、これを肝に銘じて、憲法31条、13条、19条、21条を武器に、果敢に闘わなければならない。

                          (了)
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プロフィール

Author:深草 徹
1977年4月、弁護士登録。2013年4月、セミリタイアして4年。歳を重ねましたが、「これからも、社会正義の話を、青臭く、続けよう」と思います。

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