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「必要最小限度」なら集団的自衛権は認められる??

「安倍晋三首相は8日のBSフジの番組で「必要最小限の中に含まれる集団的自衛権もあるのではないか」と述べ、自民党の高村正彦副総裁の「限定容認論」に同調する考えを示した。
安倍首相は1959年の「砂川事件」最高裁判決について、「集団的自衛権を判決の中で否定しない、ということははっきりしている」と指摘し、集団的自衛権の行使容認の根拠の一つとなる考えを示した。
 一方、集団的自衛権の行使について、「日本は9条によって個別的自衛権も限定されている。集団的自衛権が限定されていないはずがない、と考えるのが当然だと思う」と表明。自衛隊の活動範囲については「地理的な限定は、政策的手段として取っていくうえでは当然、入ってくると思う」と述べ、政策判断ごとに制限を設ける考えを示した。」
(4月9日付朝日新聞朝刊)

安倍首相は、(ⅰ)憲法9条は、自衛権を認めている、(ⅱ)自衛権の中には個別的自衛権だけではなく集団的自衛権も含まれる、(ⅲ)よって憲法9条は「必要最小限」の範囲内において(即ち限定的に)集団的自衛権の行使を認めている、と述べているのである。
しかし、(ⅰ)はともかく(ⅱ)、(ⅲ)はでたらめである。

この問題に関する政府見解は以下のとおり、防衛省・自衛隊のホームページに掲げられている(原文のまま引用)。政府は、これが憲法9条の正しい解釈であるとして、国会その他で繰り返し表明してきたのである。

(自衛権発動の要件)
憲法第9条の下において認められる自衛権の発動としての武力の行使については、政府は、従来から、

①わが国に対する急迫不正の侵害があること
②この場合にこれを排除するために他に適当な手段がないこと
③必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと

という三要件に該当する場合に限られると解しています。

(集団的自衛権)
国際法上、国家は、集団的自衛権、すなわち、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利を有しているとされています。わが国が、国際法上、このような集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上当然です。しかしながら、憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は、わが国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであり、他国に加えられた武力攻撃を実力をもって阻止することを内容とする集団的自衛権の行使は、これを超えるものであって、憲法上許されないと考えています。

少し、もってまわった言い方だが、補足説明すると次のようなことになる。

①は、まさにわが国に対する攻撃が急迫もしくは現在していなければならないこと、わが国に対する攻撃のおそれがあるという場合は含まれないこと、他国や他国部隊への攻撃は含まれないこと、あるいは海外の日本国民が危険にさらされている場合も含まれないことを示している。

②は、たとえば外交交渉、第三国の仲介、国際機関への提訴など相手国からの攻撃回避のためのありとあらゆる手段を尽くしても攻撃を避けられず、反撃する以外に方法がないという場合にはじめて認められることを示している。

③は、反撃の程度が必要最小限度という意味で、過剰反撃は認められないこと、端的にいえば侵入部隊を領土、領海、領空から撃退することがその限度であるということを示している。

以上のことから「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利」である集団的自衛権は、憲法9条のもとでは論理必然的に認められないことになる。

安倍首相は、この政府見解の三要件を無視し、とりわけ「必要最小限度」の意味を理解できないのか、あるいは理解しようとしないのか、全く異なる意味、即ち「限定的」という意味で「必要最小限」なる言葉を用いているのだ。

安倍首相は「必要最小限度」のたしなみも欠いているようだ。

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プロフィール

Author:深草 徹
1977年4月、弁護士登録。2013年4月、セミリタイア。
「これからも、社会正義の話を、青臭く、続けよう。」

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