スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「安全保障法制整備に関する与党協議会」 

「安全保障法制整備に関する与党協議会」(以下単に「協議会」という。)なるものが行われている。この協議会、どうもネーミングからして、既に、自民党の圧倒的優越性が滲み出し、一定方向を志向していることが明らかである。

協議会は、5月15日、「安保法制懇」から報告書の提出を受けた安倍首相は、ただちに以下の「基本的方向性」を打ち出し、これを受けて、与党間の合意に基づいて開催されることになったものである。

・「限定的な集団的自衛権行使容認」を求めた安保法制懇提言については今後研究を進める
・与党協議の結果、憲法解釈変更が必要と判断されれば閣議決定する
・武装集団が日本の離島に上陸する事態などの「グレーゾーン事態」への対処を強化する

 私は、公明党が立党の精神である平和憲法擁護の立場に徹するなら、広く国民に呼びかけ、協議会が開催される前にはその都度、意見交換をするための集会を持つこととし、そこでの意見聴取を踏まえて協議するという原則を確立する努力をするべきであったと思う。

なぜなら、公明党は、白紙もしくは集団的自衛権を認めないとの姿勢で協議会に臨むつもりであったかもしれないが、首相宛て提出された安保法制懇報告書と安倍首相の打ち出した上記「基本的方向性」に基づき、自民党は、既に、明確な方向性を持って臨むことは明らかであり、力関係においても優る自民党と対等平等に協議をするためには、国民的バックアップがどうしても必要だからだ。

既に協議会は、5月20日、27日、6月3日、6日と既に4回行われた。その概要をフォローしてみよう。

第1回 5月20日

自民党が①)武力攻撃に至らないグレーゾーン事態、②国連平和維持活動(PKO)での「駆け付け警護」など国際協力、③集団的自衛権の限定容認、の三分野一体的協議・決着を急ぐ姿勢を示したのに対し、公明党は、拙速な協議は避けるべきだと主張、公明党も協議の必要性を認めたグレーゾーン事態から議論に入ることを確認。

協議終了後の記者会見でも、自民党の高村正彦副総裁は、三分野一体での閣議決定が望ましいとの考えを強調したのに対し、公明党の北側一雄副代表は「私どもは、そういう認識ではない」と発言した。

第2回 5月27日

政府側が、現在の憲法解釈・法制度では対処に支障があると考える想定事例として、以下の15事例(プラス1参考事例)を提示した。

(1)グレーゾーン事態(3事例)・・・武力攻撃に至らない侵害への対処

① 離島等における不法行為への対処
② 公海上で訓練などを実施中の自衛隊が遭遇した不法行為への対処
③ 弾道ミサイル発射警戒時の米艦防護
 (参考事例)領海内で潜没航行する外国の軍用潜水艦への対処)・・・撤回

(2)集団的安全保障(4事例)・・・国連PKOを含む国際協力等

④ 侵略行為に対抗するための国際協力としての支援
⑤ 駆けつけ警護
⑥ 任務遂行のための武器使用
⑦ 領域国の同意に基づく邦人救出

(3)集団的自衛権(8事例)・・・「武力の行使」に当たり得る活動

⑧ 邦人輸送中の米輸送艦の防護
⑨ 武力攻撃を受けている米艦の防護
⑩ 強制的な停船検査
⑪ 米国に向け我が国上空を横切る弾道ミサイル迎撃
⑫ 弾道ミサイル発射警戒時の米艦防護
⑬ 米本土が武力攻撃を受け、我が国近隣で作戦を行う時の米艦防護
⑭ 国際的な機雷掃海活動への参加
⑮ 民間船舶の国際共同護衛

グレーゾーン事態の①、②の2事例を中心に意見交換された。
政府・自民党は、離島に武装集団が上陸した 場合、自衛隊の治安出動や海上警備行動に「時間がかかる」として、発令手続きの簡素化が必要と主張。政府側の出席者は、中国漁船が大挙して日本領海に侵入 する事態などを念頭に「尖閣諸島も大丈夫ではない」と指摘した。これに対し、公明党北側一雄副代表は「海上保安庁で対処が困難なとき、スムーズに海上警備行動が出ることは当然やっているのではないか」と強調。あくまで海上保安庁が主導的役割を果たすべきで、自衛隊出動の手続きは現行の枠組みで十分との認識を示した。
また公明党北側氏は、海上保安庁の巡視艇が周辺におらず、付近にいる海上自衛隊ならば速やかな対応が可能とする状況設定に、「たまたまの話が挙がっている。かなりレアな話との印象を受けた」と不満を示した。公明党からはさらに、「どういう離島を想定しているのか」、「海上自衛隊に平時から警察権を持たせる考えなのか」などの質問が出された。
政府側が法整備の具体的な方向性を明確には示さなかったため、両党が「次回会議では政府の考え方を示してほしい」と要請したとのこと。

第3回 6月3日
 
政府側から、自衛隊の国際協力活動に関して、「武力行使と一体化」したものと許されないのは以下の4条件を全て満たす場合であり、「戦闘地域」であっても多国籍軍等の後方支援活動を認める案を提示した。

ⅰ 現に戦闘中の他国部隊を支援する
ⅱ 提供する物品・役務が直接戦闘に使われる
ⅲ 活動場所が、他国部隊が現に戦闘中の現場にあたる
ⅳ 後方支援活動が戦闘行為と密接な関係がある

これに対し、公明党から、「米国が戦争を始め、補給や医療をやってくれと頼まれたら断れない。自衛隊が活動中に攻撃されれば応戦せざるを得ず、結局、戦闘と一体化する」と危うさを懸念する意見が出た。また自民党も「政府の論理は緻密でない」と批判的な意見が出された。

さらに政府側から、自衛隊が「国または国に準じる組織」に襲撃され、武器を使用した場合に「海外での武力行使」と認定される恐れがあることから、「国または国に準じる組織」の定義を改め自衛隊が武器を使用できる対象を緩和する考えが示された。

第4回 6月6日

グレーゾーン事態(3事例)について、①、②については「運用の改善」で対処、③については自衛隊法改正で対応する、ことに大筋合意した模様。

政府側は、自衛隊の国際協力活動について、前回提示した案を撤回して、新たに以下の基準案を提示した。

ⅰ 現に戦闘中の現場では支援しない
ⅱ 戦闘現場となった場合は支援を中止する
ⅲ 人道的な捜索・救助は例外とする

政府側は、「(自衛隊イラク派遣などで設けた)非戦闘地域の概念は取らない」とも説明しているし、上記基準もあいまいである。他国部隊が現に戦闘中でさえなければ、戦場などの危険地帯で戦闘準備中の他国部隊に対する後方支援が可能になり、戦闘行為に限りなく近づくこと、突然起きた戦闘に自衛隊が巻き込まれることなど、懸念される。

政府側は、集団的自衛権(8事例)を説明、「いずれも集団的自衛権に当たり、これまでの憲法解釈を変える必要がある」とした。これに対し、公明党北側氏らは「現行法や現行憲法解釈でどこまで可能なのか議論する必要がある」と述べ、次回以降に政府が想定する「『必要最小限』の基準を示して欲しい」と、詳細な資料を示し、説明するよう求めた。

自民党は、安倍首相の指示に従い、6月22日の国会会期末までに与党協議を整え、三分野一体で閣議決定することを目指し、協議を急ぐ。
安倍首相、自民党は、「朝日」紙の表現にならうと公明党への北風政策に出た。公明党よ、大丈夫か!

                                   (続く)
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: リンクのお願い

コメントありがとうございました。

使い慣れないものですから、チェックが遅れて申し訳ありません。

リンクよろしくお願いします。

ありがとうございます。

こんばんは。
早速リンクさせて頂きます。
感謝。
プロフィール

Author:深草 徹
1977年4月、弁護士登録。2013年4月、セミリタイアして4年。歳を重ねましたが、「これからも、社会正義の話を、青臭く、続けよう」と思います。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。